企業のAI導入とリスクについて

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企業のAI導入とリスクについて

AI利用は「実験的導入」から「社会的な普及段階」へ

生成AIは、もはや一部のIT企業や専門的なユーザーだけが利用する技術ではありません。

個人利用については、内閣府が『令和6年版情報通信白書』『令和7年版情報通信白書』などを基に整理したデータによると、日本人の生成AIサービス利用経験率は2023年の9%から、2024年には27%へと大幅に増加し、さらに2026年には50%を突破と、いまや2人に1人がAIを利用した経験を持つ時代となっています。

この「50%」という数字が、2026年時点で「日常的にインターネットショッピングを利用している日本人の割合」とほぼ同水準と考えれば、普及率の伸びは脅威的であり、社会の一部として認知されるのも時間の問題でしょう。

一方で、新しい技術が身近になればなるほど重要になるのがリスク管理です。

特に生成AIやチャットAIは、利用者が入力した情報をもとに回答や分析結果を生成する仕組みであるため、情報漏洩のリスクと常に隣り合わせです。

企業では業務効率化や人手不足対策を目的としてAI導入が進んでいますが、便利さの裏側にあるリスクへの理解も欠かせません。

今回は、企業におけるAI利用時の情報漏洩リスクと、その予防策について解説します。

個人では対処しづらい事例

AIサービスの利用者が十分に注意していても、防ぎきれないリスクは存在します。

代表的な事例として、2023年3月にOpenAIが発表した情報漏洩事例があります。

当時、ChatGPT Plus利用者の一部において、他ユーザーの氏名やメールアドレス、決済情報の一部が閲覧できる状態になっていた可能性があることが公表されました。原因はサービス側のシステム不具合であり、利用者自身の操作ミスによるものではありませんでした。

このように

  • サービス提供元のシステム障害
  • 外部からのサイバー攻撃
  • サービス事業者側の人的ミス

などは、利用者側だけの努力では完全に防ぐことが困難です。

そのため企業がAIサービスを導入する際は、料金や機能だけではなく、

  • 運営企業の信頼性
  • セキュリティ認証の取得状況
  • データ保護ポリシー
  • 入力データの学習利用有無

などを十分に確認し、信頼できるサービスを見極めることも重要です。

今回はもう少し身近に、個人や導入企業レベルで注意できる部分を見ていきましょう。

AI利用時によくある情報漏洩リスクと対策

ではまず、社内でAIを利用する際に発生しやすい情報漏洩リスクについて考えてみましょう。

実は、企業における情報漏洩の多くは、高度なサイバー攻撃ではなく、日常業務の中でのヒューマンエラーによって発生するものです。

特に生成AIは「気軽に質問できる便利なツール」であるため、知らないうちに重要情報を入力してしまうケースも少なくありません。


⚠️ 個人情報を入力してしまう

顧客名や住所、電話番号などの個人情報をそのままAIへ入力してしまう。コピー&ペーストなど、うっかりで発生してしまう場合も。

💡対策

入力前に匿名化ルールを徹底する

AI利用ガイドラインを作成し

  • 氏名 → A様
  • 企業名 → B社
  • 電話番号 → 000-0000-0000

のように、個人を特定できる情報は必ず置き換えてから利用するルールを整備しましょう。


⚠️ 取引先情報を入力してしまう

例えば請求書の作成などのシーンで、契約内容や見積情報、商談内容などは企業にとって重要な機密情報を入力してしまう。

担当者が利便性を優先してAIへそのまま入力してしまうと、取引先との信頼関係に悪影響を及ぼすリスクになりえます。

💡対策

機密情報の分類ルールを設ける

「社外公開可」「社内限定」「機密情報」など情報を分類し、「機密情報はAI入力禁止」と明確にルール化することで入力ミスを防げます。


⚠️ 社外秘資料を読み込ませて学習させてしまう

利用するAIサービスによっては、入力内容がサービス品質向上のための学習データとして利用される場合があります。

そのため、社外秘資料や開発資料を安易にアップロードすると、情報管理上の問題となる可能性があります。

💡対策

学習利用を無効化できる法人向けプランを利用する

ChatGPT TeamやEnterpriseなど、多くの法人向けAIサービスでは学習利用を停止する設定が用意されています。

企業利用では、学習データとして利用されないプランを選択することが推奨されます。AI導入の基本的なリテラシーとして徹底したい部分です。


⚠️ 従業員が独断でAI使用

しかし、どれだけ厳しいルールを作っても、すべての従業員の操作を常時監視することは現実的ではありません。

特にAIツールはブラウザから簡単に利用できるため、管理者が把握していない利用が発生するケースもあります。

この、『従業員が会社提供(監視範囲)以外のAIを使用してしまう』という行為は『シャドウAI』などと呼ばれ、AIの普及とともに台頭した問題であり、今後企業が早急に対策していかなければならないリスクと言えるでしょう。

💡対策

利用ログを取得できるAI環境を導入する

法人向けAIサービスやAI管理ツールを活用し

  • 誰が
  • いつ
  • どのAIを利用したか

を確認できる環境を整備することで、不適切な利用の抑止につながります。

これからの企業が、AIとの共存を模索する場合、「ミスをしないようにする」という利用者視点の対策とともに「ミスの発生しえない環境を用意する」という視点でも導入AIの選定を見極める必要が出てくるでしょう。

AI活用には「便利さ」と「安全性」の両立が不可欠

生成AIは、業務効率化や生産性向上に大きく貢献する一方で、情報管理の観点からは新たなリスクも生み出しています。

しかし、その多くは適切なルール整備と教育によって予防できるものです。

重要なのは「危険だから使わない」ことではなく、「リスクを理解したうえで安全に活用する」ことです。

AIが当たり前のツールとなっていく現代、企業には導入そのものだけでなく、安心して利用できる環境づくりも求められていくでしょう。

この記事を書いた人

餃子が大好きで基本的に週末は餃子の食べ歩きをしています。メールやSMSに関しては詳しくないですが、餃子のレピテーション、バウンスレート、フィルタリングに関しては自信あります。SPAM餃子に注意。

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